第144回:高校野球 夫々の歴史(2003/04/05)


春と夏の風物詩、高校球児の憧れ『甲子園』。
今年の春も大熱戦の末、広島広陵の優勝で幕を閉じました。

御存知の通り、高校野球の甲子園全国大会は長い歴史があります。
積み重ねた激戦の数々も勿論なのですが、
高校生の「甲子園を目指す」という気持ちも長年引き継がれている歴史のある想いです。
私の親父も甲子園を目指していた高校球児だったのですが、
今と変わらぬ想いを胸に頑張っていたんだなあと感慨深くもなったり。

で、この甲子園には激戦の記録と共に積み上げられてきた入場行進曲の歴史があります。
毎年それなりに意味のある曲が選ばれることになっていまして、
今年の春の甲子園は「大きな古時計」げ選曲されました。
というか、本当に意味があるのか??

この入場行進曲なんですが、歴代の曲を並べて見ると
その時代背景や流行が分かったりなんかして面白いです。

無難に80年〜今年までを並べてみますと・・・

1980 - ヤングマン(西城秀樹)
1981 - 青い珊瑚礁(松田聖子)
1982 - ルビーの指環(寺尾聰)
1983 - 聖母たちのララバイ(岩崎宏美)
1984 - キャッツアイ(杏里)
1985 - 星屑のステージ(チェッカーズ)
1986 - 青春(岩崎良美)
1987 - CHA−CHA−CHA(石井明美)
1988 - 夢冒険(酒井法子)
1989 - パラダイス銀河(光GENJI)
1990 - 約束(相川恵理)
1991 - おどるポンポコリン(B・Bクイーンズ)
1992 - どんなときも。(槙原敬之)
1993 - 今ありて(大会歌)
1994 - 負けないで(ZARD)
1995 - がんばりましょう(SMAP)
1996 - TOMORROW(岡本真夜)
1997 - これが私の生きる道(PUFFY)
1998 - 硝子の少年(Kinki Kids)
1999 - 長い間(Kiroro)
2000 - First Love(宇多田ヒカル)
2001 - 1.TSUNAMI(サザンオールスターズ)
     2.ビートルズ ヒットメドレー
2002 - 明日があるさ(ウルフルズ、Re:Japan)
2003 - 大きな古時計(平井堅)

中には入場行進曲としては?なものもありますけど、
ここ20年くらいはその年の流行歌が使われているケースが多いですね。
酒井法子の『夢冒険』は結構な人に知られていると思います。
アニメ三銃士の主題歌より甲子園の入場曲としてピンとくる人もいるかと。

そして、戦前〜戦後あたりにスポットを当ててみると・・・

1935 - 大会歌
1936 - 大会歌
1937 - 大会歌
1938 - 愛国行進曲
1939 - 大陸行進曲
1940 - 紀元二千六百年奉祝歌
1941 - 国民進軍歌
(第二次世界大戦のため5年間中断)
1947 - 槍と刀
1948 - 鐘の鳴る丘
1949 - 異国の丘
1950 - ハイスクール
1951 - スポーツショー
1952 - 君が代マーチ

戦前の愛国精神的選曲は流石です。
小さい頃に植えつけられた愛国精神を胸に己を奮い立たせたんでしょうね。
はっきり言って野球やるんだか戦争行くんだか分からないです。

戦後になると当然そういった愛国精神的選曲はなくなります。
ただ、いくら時代背景がそうだったとは言え、
1949年の『異国の丘』だけは違和感ありすぎ。
「倒れちゃならない祖国の土に 辿り着くまでその日まで」
なんて歌われたら、野球どころじゃなくなりますわ。
(さすがに入場行進曲で歌はないと思いますけどね)

<BGM>
MEMORIES (NAOKI feat.PAULA TERRY)
 [ DanceDanceRevolution EXTREME Original Soundtrack / 東芝EMI ]