第169回:ありそうでなかったもの(2003/10/03)


今、伊藤園がこのような缶珈琲を販売しております。



知る人ぞ知る『アルフォンス・ミュシャ』の作品をラベルに採用しており、
なんかこれだけで美味しそうな感じがしてしまいます。

そもそもミュシャの作品は宣伝媒体への提供を前提としているものが多く、
商品のラベル等に採用するとかなり映えるだろうと思っていましたが、
この缶珈琲も例に違わず自動販売機に陳列された商品の中で一番目を引きました。

夫々の作品名は以下の通りです。



作品名:BLONDE VAR.1

作品名:ZODIAC



作品名:SALON DES CENT JUIN. 1897

作品名:ガッツ汁



このシリーズには『Salon de Cafe』という名前が付いていますが、
展示ホールならびに展示会の名前であった『SALON DES CENT』を捩ったものだと思われます。
左下の「ブレンド」の絵がこの展示会用に描いたポスターです。

どれもミュシャの中では初期の作品であり、展覧会の名前を捩っている所からも
今後伊藤園はミュシャの展覧会みたいなノリで缶珈琲を展開するのかと勘繰ったりも。

まあ、生粋のファンの方には複雑な心境かもしれませんが。
ミュシャの作品を缶珈琲なんて安いものに使って欲しくないと思うでしょうし。

ちなみに私は中立的な立場です。
基本的にはミュシャの作品が多くの人の目に触れることは良いことではないでしょうか。
乱発されて価値が下がるのは御免ですけどね。

しかしまあ、こういうの今まで有りそうで無かったなあと。
ミュシャに限らずアール・ヌーヴォー美学は商品のイメージを向上させる効果があると思いますし、
どちらかと言えば日本人の美的感覚に合いそうな気がしますので。

どうでもいいですが、ガッツ汁のマズさはどうにかならないものでしょうか。
写真に写っているのは1本でしたが、



このように実は7本もあるのです。
これを見る度、プレッシャーに負けた自分を責めてしまいます。
絶対に次のガッツバトルは負けねえ。


<BGM>
幽雅に咲かせ、墨染の桜 〜 Border of Life (ZUN)
[ 東方妖々夢 / 上海幻樂団 ]