第170回:原作ありきの媒体(2003/10/04)


ここ数年、原作がゲームのTVアニメが多くなった気がします。
(OVAは除きます)
『サクラ大戦』『ソニック』『D.C.』『君が望む永遠』など
アニメにあまり詳しくない私でも幾つか挙げられるほどです。
昔はアニメをゲーム化という流れが基本で
『ドラゴンクエスト』『ストリートファイター』など
それこそ社会現象にまでなったゲームくらいしかTVアニメにはならなかった気がします。

まだまだ偏りはあると思いますが、以前より世間でゲームが認知されている、
娯楽の道具として少しずつ一般的になってきたとともに
ビジネスを展開できるということが理解されてきたと言えます。
アニメが「子供が楽しむもの」だけでなく「大きなお兄さんが楽しむもの」
という認識が浸透してきているのも一つの要因でしょう。
当然大きなお兄さんの方がお金を落としてくれますし。

ビジネスとして利用できる幅も以前より広くなったと思うんですけどね。
『風雨来記』辺りを北海道や観光会社がスポンサーになって作ればいいのに。
番組の終わりには『時坂樹のウキウキ北海道』みたいな北海道を紹介するコーナーを入れてね。
北海道の宣伝にもなりますし時坂樹効果を期待できること間違いなし。
そして時坂樹を北海道のイメージキャラクターにして(以下自粛)
とまあ、極端な例ですがビジネスとして利用する許容範囲は広がったと思うんですよ。

原作が漫画である媒体に目を向けると、
アニメは勿論、トレンディドラマに実写化される流れもあります。
確かに原作があるとドラマにするのは楽なんでしょうけど、
得てして漫画の魅力を実写で伝えるのは難しいもので
後世に「名作」として伝えられるものは数少ないのが現状ですが。
私の卒論に大きく貢献した「いいひと」も
漫画の中の何処をどう読めばこんな作りになるのかなあと首を捻る出来映えでした。

そろそろ、ゲームからトレンディドラマへという流れも多くなりそうな気がします。
『君が望む永遠』『MISSING PARTS』『雪のとける頃に』『俺の下であがけ』など
ドラマでやってても違和感がないであろう現代を舞台にした作品は多くなってます。
それでも現代物は人間をリアルに表現できる18禁ゲームに限られるかなあ。
そう言えば『女神転生デビルサマナー』がドラマ化されてた記憶がありますね。
観てないですけど。

勿論、安易なドラマ化は嫌ですけどね。
どうせやるなら『ガンダム』『ストリートファイター』を実写化したハリウッドばりに
素晴らしいネタとなるような作品を目指して欲しいものです。

以前に比べ、ゲーム・漫画・アニメ・ドラマ・映画間の垣根が低くなってきたと言えるでしょう。
マトリクスや指輪物語はゲームとコラボレーションしてましたね。
既に双方間で切磋琢磨(?)できるような関係になっていると思います。
ただ、原作になっている側の価値を落とさない作品を目指すよう心掛けて欲しいですが。
原作を生かした評価の高い作品があるという噂をあまり耳にしないことからも
まだまだ夫々の媒体が御互いの価値をあまり認識してないのが現状だと思いますし。
まあ、あまりそういった作品に触れていない人間なので大きい事は言えません。

私はこういう流れにどちらかと言うと否定的ですが。
「いいひと」で痛い目に遭ってますのであまり良いイメージがありません。
原作者の意図や想いを正しく表現できる可能性が低いと思うからです。

同じ原作者・スタッフが作成に関わるのなら許せますかね。
リメイク作品の話の時にも述べましたが、
まずはその作品に「愛」を持っている人間をスタッフに据えるのが第一だと思います。


<BGM>
Abyss -The Heavens Remix- (dj TAKA >>> remixed by Ryu☆)
[ beatmania IIDX visual works vol.1 / konami ]