第232回:死を覚悟した出来事(2005/02/03)


みなさん死を覚悟した事ってあるでしょうか。

例えば車と接触したときや高い所から落下したときなど、
不思議とその瞬間に「あ、俺死ぬな」と冷静に覚悟を決める人が多いと聞きます。
少し重い病気にかかったときなどもそうですね。

人間、生きている以上は常に死と背中合わせの環境にいる訳で、
上に挙げたごく一般的な例は勿論のこと、
普段は予想もできない出来事で死を覚悟することもあります。

当然、私も何度か死を覚悟した事があるのですが、
今でも忘れられない予想していなかった体験を一つ。

忘れもしない中学1年の秋。
うちの中学校は土曜日が弁当持参の日で、
午後から始まる部活動前に母親が作った弁当を食べていました。

そんなに裕福な家庭ではなかったので決して豪華とは言えませんが
育ち盛りな時期を考慮したのか量だけは無駄に多い弁当(半分以上は御飯)。
その日はおかずの中に近所の魚屋で買ってきたと思われるイカの天ぷらがありました。

イカの天ぷら自体は特に好きでも嫌いでもありません。
出されれば普通に食べます。
そんな感じでこの日も普通にイカの天ぷらを口に入れました。

しかしそのイカが予想も出来ない事態を招くことに。
飲んだつもりだったイカは見事に喉へ詰まってしまったのです。
飲めるサイズに噛み切ったつもりのイカは全部スジで一つに繋がっていました。

飲もうにも繋がっているので飲めない、
出そうにも喉の奥の方で止まっているみたいで出せない。
半端なく苦しいけどどうにもできない自分。
このとき私は死を覚悟しました。
「俺、イカで死ぬのか」と。
診断書か何かに「死因:イカ」と書かれるのかと。

結局、一か八かで思いっ切りイカを丸ごと飲み込んだら
全部喉を通って助かったんですけどね。
この時は冗談抜きで死ぬと思いました。
以後イカの天ぷらは細心の注意を払って食べるようにしています。

なので正月に定番の「餅を喉に詰まらせて死ぬ」というのはよく分かるんですよ。
対処法が分かってても詰まった瞬間はパニック状態になりますし、
身体の性能が落ちている年寄りにはヘヴィでしょう。
まあ弁当のおかずで生死を彷徨った人間ってのはあんまりいないだろうなあ。
イカの天ぷらに殺されそうになった人は更に少ないでしょう。

なんでいきなりイカで生死を彷徨った話をするのかって?
いや、今日の昼に食べた弁当の中にイカの天ぷらが入ってたんで。


<BGM>
AA (D.J. Amuro)
[ beatmania IIDX 11 IIDX RED ORIGINAL SOUNDTRACK / KONAMI ]