第281回:Zac.'s 風雨来記 最終章 後編(2006/08/09) | |
えー、引き続き北海道旅行記をお送りします。 後編ということで今回が最終回ですね。 果たしてZac.は時坂樹に別れを告げることができるのかっ!! 【 5日目(7/11)】 本日はウトロ−羅臼−野付半島(トドワラ)−標津という行程で。 昨日に引き続き、知床中心の観光になります。 まずは知床五湖。 ただ回るだけではつまらないので、今回はネイチャーガイドに申し込みました。 要するにガイドさんが付いてくれる訳ですね。 参加するために早起きしなければならなかったのですが、それだけの価値は十分にありましたよ。 ガイドさんの説明を思い出しながら写真を紹介しますと・・・・・・ 岩を包むように根が伸びているのがお分かりになりますでしょうか。 大きな岩の上に木が立っております。 そう、土に根を下ろしていないのです。 それでもこうやって成長していることに木の強い生命力を感じることが出来ます。 なんとなく天空の城ラピュタを思い出しますね。 小さくて見難いかもしれませんが、倒れた木の上に新しい稚樹が生えています。 朽ち果てた木と言えども湿り気と養分は含まれているため、こうやって稚樹が生長するのだそうです。 この現象を倒木更新と呼ぶそうで。 朽ち果てて倒れてしまったものの上に新しい息吹が吹き込む、 そうやって世代交代していく姿が人間チックで何ともロマンティックではありませんか。 木に斜めの傷が付いています。 皆さんもすぐに分かったと思いますが、これはヒグマの爪痕です。 傷が斜めに付いているのは熊が木に登ったからだそうで。 (木を抱えるように登るので斜めに傷が付く) 最近付けられた傷のようで、剥かれた樹皮もまだ水水しく樹液もあまり固まっておりませんでした。 写真ではさほど感じないかもしれませんが、目の前で見るとかなりインパクトありましたよ。 まだまだ色々な説明を受けましたが、とりあえずはこんな感じで。 もし今後知床五湖へ行かれる方がいらっしゃいましたら、 ネイチャーガイドに申し込むことを激しくオススメします。 かなり充実した知床五湖巡りができますよ。 ガイドの説明がなければ間違いなく「あー、綺麗だねー」で終わっていましたね。 なお、知床五湖はその名の通り5つの湖があるのですが、 熊が出没しやすい時期であるため三湖〜五湖は閉鎖されていました。 ガイドさんの話によると、秋頃になれば全て回れるようになるそうで。 ・・・・・・何で秋頃また来たくなるようなことを言いますかね。 (いつか絶対に来てやる) 知床五湖の周遊が終わると、今度は知床峠を経由して羅臼に移動します。 こちらも知床半島にありますが、ウトロとは異なり観光地っぽい雰囲気は殆どありません。 ストレートに言うとかなり寂しい感じがあります。 「哀愁に浸りたい」とかであれば、間違いなく羅臼側の知床の方が良いでしょう。 なお、風雨来記の時坂樹をプレイした方なら分かると思いますが、 この羅臼以降はかなり樹シナリオっぽくなります。 私が時坂樹に別れを告げる前に最後の旅を楽しんでいるような感じがしないでもありません(←バカ) さて、羅臼ではマッカウス洞窟のヒカリゴケを見たり、 入りませんでしたが、セセキ・相泊温泉にも立ち寄りました。 ヒカリゴケは見る角度によって本当に蛍光ペンのような色になります。 ただ、殆ど生息している姿が見られなかったのは、 果たして時期が違うのかそれとも絶滅寸前なのか非常に気になります。 後者だったら・・・・・・嫌だなあ。 セセキ温泉はすぐ目の前が海というロケーションにある珍しい露天風呂です。 当然、満潮時には海の中に沈んでしまいます。 風呂が海の傍にある様子を写真に撮ろうと思ったのですが、 タイミング良く(悪く)オッサンが一人入浴中でありまして、 しかもオッサンが海をバックに腰に手を当ててイチモツを見せびらかしている姿を その家族がワイワイ言いながら写真を撮るといった破廉恥な行為に及んでいたので諦めました。 相泊温泉は羅臼側の車で行ける最終地点にある温泉で、 こっちはシーズン中であれば小屋掛けがされているため、 セセキ温泉に比べれば比較的入りやすいと思います。 ま、入りませんでしたけど。 あと、羅臼側の道路の行き止まりがこちらですね。 単なる行き止まりなんですが「知床半島の行き止まり」ということでロマンを感じます。 ウトロ側はもっとロマンを感じるんだろうなあ・・・・・・。 (まだカムイワッカの滝まで行けなかったのでウトロ側の行き止まりは見てきておりません。) 羅臼を出ますと次は野付半島のトドワラです。 別名「木の墓場」と呼ばれ、海水が浸食して枯れてしまったトドマツが広がっている場所であります。 私が子供の頃から好きだった場所で、大学生の時に一度来ているのですが、 現在も海水の浸食が続いているため将来は枯れたトドマツを見れなくなってしまうだろう と危惧されているので、もう一度この目で見るために来たかったんですよね。 こんな感じで枯れたトドマツが見られます。 ホント、素敵な場所です。 嫁さんは「寂し過ぎる」と言うのですが、それがまた良いのではないかと私は思うのですがね。 私は何度来ても感動するだろうなぁ・・・・・・。 余談ですが、大学生の時は北海道道東の観光シーズンが一段楽する11月3日の夕方に来ました。 そのとき「もう客も来ないだろう」と丁度売店を閉めようとしていたおばちゃんが、 我々を自殺志願者だと思って「温かい飲み物を用意しておくから」と声を掛け、 私達がトドワラを見て帰ってくるまで売店を開けておいてくれたという心の温まる想い出があります。 (11月3日が過ぎると春まで売店も閉まってしまうので自殺されるとかなり困る) その売店も新しく造り替えられていてビックリしました。 昔は小さな小屋みたい建物だったんですけどね。 果たしてこれは別海町がトドワラの観光に力を入れてきたと見るべきかどうか。 ・・・・・・うん、多分そうだろう(自己完結) 以上でこの日の観光は終了。 標津にあるペンションへ夕食に間に合うようにチェックインしました。 基本的に宿泊場所は旅行会社に手配を任せていたのですが、ここだけは自分で手配しています。 何故なら、私に「北海道の自然の中で満天の星空を静かに眺めたい」という希望がありまして、 どうしても明かりが少なくて人も少ない場所に泊まりたかったのです。 まあ、生憎空は曇っており残念ながら星を眺めることはできませんでしたが。 なおこのペンションは、 テレビも無い、ラジオも無い、携帯の電波も届かない、 エアコンも無い、自動販売機も無い、ADSLなんじゃそりゃ、 コンビニも無い、そもそも周りに建物が無い、あるのは澄んだ空気と豊かな自然だけ ※吉幾三の「オラこんな村いやだ」っぽく読んで(歌って)みてください という日々社会の荒波に揉まれる企業戦士が休息するには最適な場所でした。 (要するに現実逃避するにはもってこいな場所ってことで) さすがに毎日携帯が繋がらないのは不便ですけどね。 あと、自家製のパンや無農薬野菜を使った料理も美味しかったなあ。 生憎の天気でしたが落ち着いた静かな夜を過ごすことは出来ました。 またいつか泊まりたいペンションです。 今度は晴れてるといいなあ。 【 6日目(7/12)】 泣いても笑っても最終日。 北海道という幻想的な世界から東京という現実世界に戻らなければいけない日。 そして時坂樹に別れを告げなければいけない辛い日。 せめて時間ギリギリまで目一杯遊んで(観光して)やるぞ! ・・・・・・と意気込んだのですが生憎の雨模様。 今回の北海道旅行では初めて雨に見舞われましたね。 何も最終日に雨降らなくたっていいじゃな・・・・・・ いや、もしかするとこの雨は私と別れたくない時坂樹の涙なのかも!! などとアホなことを考えながら向かった先は開陽台。 330°大パノラマと微妙な中途半端さを感じなくもない景色が売り文句の台地です。 地平線が丸く見える、大粒の星が降り注ぐ、など北海道の魅力を存分に味わえる場所なのですが、 当然、雨で何も見えませんでした。 (二枚目の写真は頑張って靄が晴れるのを待って撮ったやつなのでそこそこ見えますが) うーん、あまり贅沢言ってはいけませんが、天気が良ければなあ・・・・・・悔しいなあ・・・・・・。 開陽台で330°大パノラマを体験できなかった悔しさを引き摺ったまま、お次は裏摩周湖展望台へ。 昨年の夏も行きましたが、やはり何度行こうが良いものは良いので今回も寄ることにしました。 ほら、時坂樹を探すためにはきっちり寄っておかないと。 やっぱり何も見えねぇ!! 時坂樹もいねぇ!!! ここに樹がいないとなると次は神の子池です。 同じく昨年の夏にも行きましたが、やはり何度行こうが良いもの(以下略) ここにも時坂樹いねぇ!!! でも、水はやっぱり綺麗でした。超感動。 こうなるとあとはあの場所に行くしかありません。 そう、キミと初めて出会った摩周第三展望台へ。 やっぱり何も見えねぇ!! ここにも時坂樹いねぇ!!! これじゃあお別れできないじゃないですか。 ・・・・・・まてよ、もしかすると私と別れたくないから姿を現さないのかも!? それなら靄(霧)で摩周湖が見えないのも頷けます。 時坂樹=摩周湖ですからね。 それはそれで嬉しいんですけど、これでは意を決してここまでやってきた意味が無くなってしまいます。 私にはもう心に決めた人がいる訳で、さすがにこのままズルズルと関係を続ける訳には・・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ま、焦る必要もないかな。 9月28日以降でもええじゃないか運動。 という訳で、樹に別れを告げることはできませんでした。てへっ。 えっ?タイトルにウソ書いてあるって? こんなこともあろうかときっちり保険を掛けておきました。 つか、なんつーオチだよ! 以上で今回の結婚式兼北海道旅行は終了です。 3回に渡って長々とお付き合い頂き有難う御座いました。 しかし北海道は何度来ても感動しますなぁ。 幾つか十分に堪能出来なかったことがありますので(特に最終日)、 近いうちにもう一度行きたいなあと毎日のように思っているのですが、 来月本格的な新婚旅行でエゲレス(英国)に行ってくるので当分は無理そう。 ま、留学中の遠坂凛にでも会ってくるかなー(←大バカ) 全走行距離は約1246km。 平均時速60km/hで換算すれば約21時間運転してたことになりますね。 5泊6日の旅とは言え頑張り過ぎました。 なお、勿論最後の晩餐はここで済ませています。 やっぱりツーラーメン最高!! <BGM> Mutiny−運命は少女と共に [ ESPGALUDA II Original Sound Track / CAVE ] |