第29回:今中慎二という投手 (2000/10/27)


プロ野球ファンの方は、少なからず名前くらいは聞いた事あると思います。
と言っても、ここ4年間は怪我で殆ど登板してないため、
最近ファンになった方は「誰それ?」状態ですかね。

簡単に説明しますと、
89年に大阪桐陰高校からドラフト1位で中日ドラゴンズに入団した左腕、
140km後半のストレートと90km台のスローカーブを武器に、
現役通算91勝を挙げています。
93年には最多勝・最多奪三振・沢村賞・ベストナイン・ゴールデングラブ賞
といった投手タイトルをほぼ総ナメという成績を残しています。
90年代前半、山本昌投手と2人で中日を支えた功労者です。

しかし、体を酷使しすぎ故障し、
自慢の140km台後半のストレートも影を潜め、
最近4年間では4勝止まり。
最近では引退説も囁かれるようになった苦悩のエースです。

そう、今年のストーブリーグでは、
真っ先に引退説が取り沙汰されました。
球団に酷使された結果とは言え、4年間も実績らしい実績を残していない選手を
高い金を払って雇うのは好ましくないといったところらしいです。
本人は現役続行の意志を表明しており、
その後の去就が注目されていましたが、
とりあえずはキャンプで首脳陣が判断するということで落ち着きました。

申し遅れましたが、私は今中慎二選手の大ファン
いや、「大」じゃないですね、「超絶熱狂」と表現しておきます。
まあ兎に角、今中選手が私にとって最高の選手ということですね。
私が投手をやってたこともあり、その影響力は絶大でした。
草野球チームの背番号は、勿論今中選手が背中に付けている14番。
マウンド上で表情を崩さないポーカーフェイスも、
意識して真似するようにしていました。
真似じゃないですね、影響を受けてそう変えたんですよ。
(マウンドでの表情は結構重要です。その詳しい話はまた別の機会に。)
普段はポカーンフェイスの私ですから、それは苦労しました。

昨年、中日ドラゴンズは見事リーグ優勝を成し遂げましたが、
その輪の中に今中慎二選手の姿はありませんでした。
全盛期では3回も優勝を寸での所で逃しています。
やっぱり、1度でいいから彼が優勝の輪の中にいるのを見たいです。

全盛期の投球をビデオでたまに見たりしますが、痺れます。
クレバーでクール、でもその心の中は熱い闘志に溢れています。
今中選手の後ろ姿は「背中で野球を語る男」そのものです。

とりあえず「いきなりの引退」は免れたようで一安心です。
「もう一度だけ」なんてチャチな事は言いません。
これからも何度も何度もマウンドでの勇姿を見たいです。
頑張れ!今中慎二投手!!

最後に、私の説明文の中で「エース」という表現をしました。
現実、「エース」と表現されるのは既に過去の話なのですが
私の中では永遠に中日ドラゴンズのエースです。

野口投手には申し訳ないんですけどね。ゴメンナサイ。