第331回:理想の講師(2008/02/28)


お客様から「Zac.(仮名)さん、何でも屋みたいだね。」と言われるくらい、
独立してからコンピュータ関係の色々な仕事を引き受けているのですが、
その仕事の中にいわゆる『講師』というものがあったりします。

コンピュータ関係の『講師』と言っても教えることは幾多もありますが、
前の会社で扱ってたソフトの講師だったり、CADソフト使った製図の講師だったり、
データベースを教える講師だったり、とあるシステムを運用・操作するための講師だったり、
しまいには自作PCを作る講師だったり、とにかく数と種類だけは無駄にこなしてきました。
(ま、少なからず私の『実績』としてはアピールできるので無駄ではないのですが)

ただ、私は人前で喋るのそんなに好きではないですし、
それぞれの分野において専門的な深い部分までは熟知していないものが多いため、
正直に言うと講師としてのレベルは低いと思います。
私に教えられる人は運が悪いかもしれません。

ただ、受講する側にも様々なレベルがあります。
コンピュータやシステムを熟知している、講習で扱うソフトを触ったことがある、
CADやデータベースに携わったことがある、WordやExcelレベルまでは使用できる、
マウス動かすので精一杯、ダブルクリックができない・・・・・・などなどピンからキリまで。
またレベルという話とは少々異なりますが、
受講者が新卒社員か、ベテランか、定年間近か、といった年齢による違いも影響します。

とまあ、様々なレベル&年齢の受講生を相手に、あまりにいい加減な人間が講師をしている訳で、
なんかもう想像するだけで失敗談が沢山飛び出てきそうな予感がプンプンしてきますが、
運良くまだ大きなクレームなどは貰ったことないので、ギリギリセーフなのでしょう。

ただ、こんな私でも『講師』として強く意識していることはあります。
それは「相手の目線に合わせ、何が分からないのかを分かってあげる」ということ。

当然、喋るのが上手いのも、知識が豊富で瞬時に何でも答えられるのも大事でしょうけど、
個人的には「相手のレベルを理解し」「同じ目線に立って」「何が分からないのかを分かってあげる」
この3段活用が人に何かを教える際に一番大切なことではないかと思います。
つまり相手に『理解』して貰うためには、こちらから相手の目線に合わせてあげることが第一だと。
これが出来ないと「なんでこんなのが理解できないんだ」と平気で言える講師になってしまうでしょう。

話は飛びますが、実は私が中学2年の時に日本史を担当した非常勤の講師(男)が、
ビックリするくらい生徒一人一人の目線に合わせた教え方の出来る先生でした。
おかげさまで日本史だけはクラスの平均点が飛び抜けて高く、
一時期は我々の学年の『七不思議』とも言われる有様に。
いや、他の教科のクラス平均点は目も当てられない惨状だったので、
最初は「日本史だけクラスぐるみで何かやってる」と疑い掛けられましたからねぇ……。
(ちなみに非常勤なので学年10クラス中の2クラスしか教えてなかった)
容易に想像できると思いますが、やはりクラス全員から慕われていました。

勿論、私の理想とする『講師』はこの中学2年時に出会った日本史の非常勤講師がベースです。
『講師』として壇上へ立つ時には、まずこの非常勤講師の顔を思い浮かべ、
「相手の目線に合わせ、何が分からないのかを分かってあげよう」と言い聞かせるようにしています。
まだまだ講師としては未熟で勉強すること沢山ありますが、
やる以上は受講生全員から「Zac.(仮名)先生いいよね」と慕われる講師になれるよう頑張りたいと思います。

ですが、とあるデータベース講習でデータベースの構造や利点を説明する際、
「信長の野望や三国志の武将データや国データをリレーショナルデータベース化すると色々楽になる」
といったアホな例を出してしまい、相手の目線がどうとか何が分からないのか分かるがどうとか以前に
根本的な部分で自分には向いていないような気がしました>講師
でも、私が講師をやった中では一番受講生の反応が良かった(理解して貰えた)例なんだよなぁ……
こんな”あっぱらぱあ”な例でも理解してくれた受講生に感謝です。


<BGM>
Poseidon(NAOKI underground)
[ DDR SuperNOVA2 Original Soundtrack / KONAMI ]