第408回:ありがとう(2010/07/01)


スミマセン、自分の感情に任せた一文を書かせて貰います。
多分読めたものじゃないと思いますし、内容もあまり楽しいものではないので、
読まれる方はちょっとだけ覚悟しておいてください。

 ……

先週の日曜日、中学で一緒だった同級生(女性)が交通事故で亡くなったと、
幼馴染みの友人から連絡がありました。

その亡くなった同級生とは中学1年時に一緒のクラスで、
入学して一番最初の班編成で同じ班になったのを切っ掛けに
中学生活3年間それなりに交流のあった人でした。

ちなみに交流があった大きな要因は、当時「男勝り」だった彼女の性格から
私を含めたクラスに必ず存在するお馬鹿グループがしょうもない渾名を付け、
以降親しみを込めてその渾名で彼女を呼んでは全速力で追いかけられ、
最終的に逃げ足の遅いヤツが掴まってキツい一撃を喰らう、という
まるでドリフのコントのようなお約束を3年間やり続けたことだったと思います。
や、文章だけ読むと彼女を苛めていたようにも取られ兼ねないですが、
決してそういうことはなかったとフォローしておきます、一応。

まあ、今考えるとモロに厨二病だったと自覚しているんですけど、
中学の時の私は女性を『女』として意識してなかったんですよね。
周りが「○○ちゃんが好き」「△△君が好き」「おっぱい」「デラべっぴん」などなど
思春期真っ只中な淡い感情をぶちまけている最中、
自分は男性とか女性とか関係なく一緒に馬鹿をやれる人間であればOK、
つまり親友とか友達みたいな感覚で付き合える人間と交流を深めることが、
中学時代の『青春』なんだと本気で思っていましたんで。
(その結果、私を男性として意識していた女性とすれ違ってしまったとか
 男として情けない逸話もあるんですけど、その話は機会があればまた。)
だからこそ、ドリフのコントのようなことを笑いながらやってくれる彼女と
中学の3年間良い関係を保てたんだな、と勝手に思っています。

ただ、中学を卒業してからは連絡を取り合うほど仲が良かった訳ではありませんでした。
私が実家に帰った時に遊ぶこともありませんでしたし、そもそも彼女の携帯番号も知りません。
強いて言えば、中学時代の仲間と集まった際に話題に上るくらい。
正直、余程の偶然がなければ顔を合わせることも無いんじゃないか、と思っていました。
厨二病全開だった頃は『一緒に馬鹿をやれる人間』と思っていたのに比べるとその温度差が酷いですね。

ですが、その余程の偶然が一度だけありました。
今から5年くらい前、親友Aの結婚式&披露宴のスタッフに彼女がいたんです。
さすがに私の目は親友Aの晴れ姿と彼の嫁さんに釘付けですから気付かなかったのですが、
彼女の方は私&一緒に呼ばれていた親友Bに気付いてくれて、
確か新婦のお色直しの時だったと思いますが披露宴のちょっとした間が生まれた時に
スタッフ長みたいな人と一緒に私達の所に来て声を掛けてくれました。

さすがにその時は披露宴の最中でもあったんで「おう、久しぶり」程度の言葉しか交わしませんでしたが、
披露宴が終わった後にスタッフ長みたいな人の計らいで
私と親友Aと親友Bと彼女、つまり中学時代の同級生4人で話す時間を貰うことができました。
(彼女には片付けとかスタッフとしての仕事が残ってる筈ですから普通話せないと思います)

ま、話した内容は場所が場所でしたので「結婚オメデトウ!」みたいなことが5割、
あとはお互いの近況報告みたいなこと5割でした。
ただ、そんな会話の中で彼女に言われた

 「Zac.(仮名)って中学の時から変わってないね。」

という言葉は5年くらい経った今でも忘れられません。

や、彼女がそう言った理由は単純で、
彼女を当時の渾名で呼んで彼女に一発殴られるってなやり取りをしたこと、
披露宴の絶対に笑ってはいけない場面で新郎・友人Aをどうにかして笑わせてやろうと
自分の席で友人Aに見えるようアホなことやっている私の姿を見たこと、
この2点から『こいつ昔も今もやってることが変わんね』と思ったからなんですが。
(勿論、昔も今も老け顔しているってのも1つの要因だと思います)

でもそれって裏を返すと彼女の中に『昔のZac.の記憶があった』ってことになるんですよね。
正直、昔の私なんて黒歴史の塊だと思うんですけど、
それでも自分のことを覚えていてくれた、もしくは思い出してくれた、
そのことがスゲー嬉しかったんですよ、私的に。
そしてその時に思いました、こいつとは10年後・20年後・30年後に会っても、
彼女とは同じようなやり取りをして同じようなこと言われるんだろうな、と。
厨二病全開だったかもしれないけど、当時私が描いていた『青春』も悪くは無かったんだな、と。
ま、冷静に考えると「身体は大人、頭脳は子供」な状態が続いている訳で、
「変わってない」と言われるのはあまり喜ばしいことではないかもしれないんですけど。

結局、彼女と最後に会ったのは親友Aの結婚式&披露宴ということになってしまいました。
あれから5年が過ぎ、最近は私を思い出すどころか昔の私の記憶すら無くなっていたかもしれません。
でも、あの時に彼女が自分を覚えていてくれたこと、
もしくは自分を思い出してくれたこと、今でもスゲー感謝しています。本当にありがとう。

もう、自分の感謝の気持ちを彼女に伝えることはできなくなってしまいました。
ですが、彼女のことをこれから先ずっと覚えていること、
中学時代の彼女も、親友Aの結婚式でスタッフをしていた彼女も、ずっと覚えていること、
そのことが私の感謝の意を示すことになるでしょうか……。

 ……

まとまりのない話を長々とスミマセン。
亡くなったと聞いた時は「えっ!?」って感じだけだったのですが、
以降彼女のことを思い出す度にジワジワと胸に来るものがあったんですよね。
それをどこにぶつけていいのか分からず、コラムに書く形になってしまいました。

最後になりましたが、この場を借りまして謹んで彼女のご冥福をお祈り申し上げます。
私がそっちに行った時は例の渾名で呼びますんで、逃げる私を追い掛け回してくださいな。
(勿論、絶対に逃げ切ってみせますからね)


<BGM>
なし
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